加藤清正公

加藤清正ゆかりの熊本市の名刹日蓮宗本妙寺に1934年(昭和9年)に設立されたものであるが、1937年(昭和12年)銅像は戦時のため供出された。
長く台座のままで放置されてあったが、保存されていた四分の一の原型ひな形によって1960年(昭和35年)同じ台座上に復元されたものである。
作者は本妙寺に伝わる清正公の鎧を寺僧に着せモデルとしてこの像の制作にあたった。右手に得意の槍をしっかりと握り、左手は腰にあてて屹立し近世の黎明
に、深い庇の下から精悍な表情で眼光鋭く前方を凝視するスケールの大きな悲運の戦国武将像である。現地は市街を見下ろす高い石段上で、像高8mを超える巨像をますます仰ぐものとする立地条件である。
静的な像に対して抑制によって注意深くはされているが、同時に弾むような細部の直付けがそのまま作者の、鋭く歴史を見据えようとする厳然とした思想を伝えるものとなっている。

引用:中村傳三郎編 北村彫塑大成

種類 肖像
大きさ H820cm W280cm D220cm
素材 燐青銅
原型作者 北村 西望
設置場所 熊本県熊本市 本妙寺
設置年度 1960年
作成期間 5ヶ月

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